書類は簡単に通してはいけない
資料に印鑑を押すだけの仕事は数多く存在します。
中身を確認せずにとにかく印鑑を押した経験は誰しもあることでしょう。
仕事上で書類に大量の印鑑を押す目的は責任を分散させることです。
何かトラブルが起きたとしても、何十人もの印鑑で承認を受けていたならば誰か一人が問い詰められることがなくて済むのです。
誰も責任なんて取りたくないのですから。
さて、ただ印鑑を押すだけの仕事ですが、管理職の仕事の大部分を占めています。
直属の部下からの資料はもちろん、別のチームからも回覧が来ます。
まったく自チームに関係ないような書類もたくさん来ます。
とにかく責任を分散させることが目的ですから、印鑑の数は多ければ多いほど良いのです。
結果として、中身を読んだところでよく分からないことになります。
そして次のような自分に対する言い訳とともに、印鑑を押します。
- 時間がなくてじっくり読めてないけど大丈夫だろう。
- 他の詳しい方が承認しているからいいだろう。
時間がないというのは中身が理解できない自分を認めたくないことから生まれる言い訳です。
こうした言い訳を背に、理解したつもりになって印鑑を押すことは決して良いことではありません。
書類仕事は簡単に承認してはいけないのです。
何故なら、書類仕事はよけいな仕事を増やす大チャンスだからです。
簡単に承認しないことは、承認者にとっても作成者にとっても、多くのメリットがあります。
書類を承認しないメリット
書類を承認せず、何度も再提出させることによるメリットは次のようなものが挙げられます。
- より良い書類を作ることができる
- 作成者に書類修正というよけいな仕事を与えることができる
- 承認者も書類再審査というよけいな仕事を得ることができる
- 承認者が丁寧な仕事をしているフリができる
- 承認者がしっかり指導を行っているフリができる
- 承認者と作成者の立場の違いをわからせることができる
以上のように、とにかく書類を却下することで非常に多くの利点が生まれます。
書類を貰って即承認など論外です。
それでは、書類はどのように却下すればよいのでしょうか。
具体的に書類を却下するコツを解説していきます。
書類を却下する際の注意点
書類を却下することで多くの利点が生まれますが、却下する手法を間違えるとリスクが発生します。
特に次のような失敗例に注意が必要です。
- 「今後間違えないよう注意して」などと釘を刺してしまう
- 作成者との関係性(好き・嫌い)などで却下する・しないを決めてしまう
間違えることでよけいな仕事を増やせるのですから、むしろ二度三度と間違えてもらった方が良いです。
変に声を荒げたり相手を脅かせてパワハラで訴えられては元も子もありません。
関係性を崩したりせずに上手に却下しなくては先ほど挙げた利点も消え去ってしまいます。
書類の不備をとことん突きまくる
書類の内容がよく理解できていなくとも、却下することは容易に可能です。
重箱の隅を楊枝でほじくるように、書類自体の不備を徹底的に調べ上げるのです。
ポイントを挙げます。
- 変換ミス
- 「てにおは」のミス
- 表現が分かりづらい
- 表現が気に入らない
- 初めてこの書類を読む人に対して易しくない
- 前提知識が無い人でも分かるように説明を加えるべき
特に効果的なのは下の2つです。
自分が書類を理解できなかったことに対する言い訳を、作成者に押し付けることができます。
また、入力ミスや文章表現だけの修正だとすぐに終わってしまいがちですが、初心者向けの説明を丁寧に書き加えるとなるとそれなりの時間がかかります。
結果、よけいな仕事を大きく増やすことが可能となります。
加えてこの方法は承認者は丁寧な仕事をしている印象を得ることができます。
どんな書類に対しても汎用性が高い手法ですので、覚えておいて損はありません。
本記事では書類を簡単に承認してはいけない理由を解説しました。
流れてくる書類に印鑑を押す前に、一度考え直してみてはいかがでしょうか。
Excellent article. I certainly appreciate this site. Continue the good work!